こんな自分を気付いて欲しい、と思った。

でも、気付かれて色々聞かれるのは嫌だった。

矛盾してる思いに、どうしようもない位の不安が募った。

良壱のバイクの後ろに乗る。

信号にさしかかって、あたしは突然、こんな事を口にした。

「あたしの家に寄って。」

良壱は、びっくりしたようにあたしの方を向いたけど、「あ?」とも「は?」とも言わずに、あたしの家の方面に行ってくれた。

「何かいるもんでもあんのか?」

着くと、そう言ってあたしの被ってたヘルメットを受け取った。