『…樹は?』
「…分かんない、はぐれた。」
『そっか…。』
お互いに目線を合わせない、ぎこちない会話を、楽しそうに横で見つめる有紗。
『「……。」』
「ふふっ…。」
沈黙の食事中。有紗の、とてつもなく楽しんでる感が詰まった笑いだけが響いた。
「はぁ…。」
小さなため息を漏らす明に視線を向けるとバチッと目が合った。
目を離すタイミングを逃し、どうしていいか迷っていると、少し明のほっぺが赤く染まり、目が泳いでいて焦ってるのが分かった。
そのあと、その顔を隠すため明は顔をそらしてきた。
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