「じゃあピンちょうだい?」



少し怒った感じの表情で冷ややかな目で言われた。



『…えっ。』



瞬時に前髪につけてあるヘアピンを両手で隠す。



「別に好きでもない人からもらったものなんて大切にしなくていいでしょう?ピンなんてどこにでも売ってるわよ?」



うっ…。



ほれほれ、と手を伸ばしてくる有紗。



『無理…!!』


「どうして?」


『…それは…。』


「明からもらったものだからじゃないの?」



…そんな、急に言われても…分かんないよ…。