「…電話?」 『へ…?』 急に樹がスプーンをくわえながら首を傾げて言った。 「今電話の音した。」 『うっそ~……あ、ほんとだ!!』 確かに耳を澄ませると、かすかに聞こえてくる。 明と有紗もキョロキョロと周りを見る。 「…僕?」 ふと、そう言った明は青い携帯を取り出す。 すると、携帯のランプが点滅しながら曲が流れている。 パカッと携帯を開いた明は、表示された名前のところを見て、眉間にシワを寄せた。