「いい匂い。出来た?」 部屋着に着替えた樹がキッチンに入ってくるなり嬉しそうに言う。 『うん!!もう出来たよ~。』 「手伝う。」 『ありがと。……てか、明なんでいきなり泊まることになったの?』 はい。とお皿を樹に渡しながら聞くと、なんで?と、意外な言葉が返ってきた。 『な、なんでって?』 「だって、弟の友達が泊まり来たってだけで、理由はいらないよね?」 『うっ…。』 いつもの樹っぽくない雰囲気と言葉に動きが止まる。