「笑美、ほらバナナオレ」




「え?いいの?」





春真が私にバナナオレをくれた。




「これ持ってクラス行く予定だったから。手間はぶけた。」




「ありがとう、春真。ってか私がバナナオレ好きって覚えてたんだね。」




「そりゃ、高2のときあれだけ毎日飲んでたら覚えるよ。」





そっか、そういえば毎日飲んでたかもしれないな。





「春真、クラス楽しい?」




「まぁまぁ、やっぱり高2のときのクラスのが楽しかった。」




「うん、私も。春真と豪君いないから寂しいねって桜と話したりするよ。」





高2のときは、私と桜と春真と豪君の4人でいつも一緒だったから。





だから高3になって、春真と豪君がいないのがすごい寂しいんだ。




「桜とかね、たまに移動教室のときに“あっ、ねぇ豪……あっ”とか言うの。可愛いよねー。」





隣にいるのが当たり前すぎて、たまに間違えちゃうんだよね。





「笑美も“春真、これ教え……って春真じゃないよねー…”って授業中に後ろの席の人困らせてたでしょ?」




「桜、それ秘密って!」





うわぁ、隠しておきたかった過去を。