「遅かったね」


絢斗くんの所に戻って来た。


「ごめんね…」


「別にいいよ!!!あの監督優しいからね!!!」



絢斗くんはとても笑顔であたしに笑いかけてくれる。



それがとても嬉しい。



今日の撮影がきっかけで仲良くなればなぁ…って思った。



「凛!!!早く!!!撮るよ!!!」



と監督の声が…



しょうがないからあたしは絢斗くんの肩に頭を乗せた。



「カット!!!めちゃくちゃいい!!
じゃぁ最後の最終手段やろっか」


監督はニヤニヤしながらスタッフと話している。



正直…気持ち悪い…



「じゃぁ凛!!!絢斗!!!最後はキスよ!!!」



……はっ!!!????


今なんて言った????



「監督~冗談は止めてくださいよ!!!撮影でキスとか…俺やった事ありません」



さすがの絢斗くんもびっくりしているみたい。



「あらぁ~絢斗。あたしの言う事が聞けないのかね???」