「くそっ、携帯にも出やしねえ」

勇人さんが、荒々しく家の電話を叩きつけた

莉子ちゃんと連絡が取れなくなってからもう6時間が過ぎる

私は、壁にかかっている時計をじっと眺めた

やっぱり無理にでも、買物に誘っておけば良かったかな?

電話の前で、落ち着きなく勇人さんが立っている

莉子ちゃんなら、大丈夫

そう思いたいけれど……

可愛いからなあ

変な人に絡まれていたりしたら…って思うと心配になっちゃうよ

「ただいまぁ」

玄関のほうから、莉子ちゃんの明るい声が響いてきた

良かったぁ

莉子ちゃんの元気な声だよ

無事に帰ってきたんだね!