「貴様!」

透もナイフを出すと、襲いかかってきた

信二も起き上がって、透と一緒になって藤城君を狙う

ああ、もうっ!

怪我しちゃう

私は目をつぶった

藤城君が刺されるところを見たくなくて…身体に力を入れて、身を縮めた

男たちの低い唸り声が耳に入ってきた

「だから、ナイフに頼り過ぎてるんだよ
馬鹿だよね、君たちってさ?
…あ、質問したら可愛いそうだね
馬鹿なんだから」

私が目を開けると、信二と透が地面に横になって失神していた

え?

これ、藤城君がやったの?

「君はどうする?
僕に襲いかかってくるのかな?
ナイフがきかないってわかってるだろうけど…どうする?」

レミの後ろに立っている陽太は首を横に振った

「だよね
それが賢明な判断だと思うよ」

藤城君がにこっとほほ笑んだ

藤城君、一人で?

刃物を持っている男たちを失神させたの?