レミが声を立てて笑う

惨めだ

高校を変えたのに…どうしてまたこんな苦しみを味合わなくちゃいけないの?

一生懸命勉強して、私を知らない高校に入学したのに

どうして私が、苦しくて惨めな思いをしないといけないのよ

「藤城君、もういいってば…」

「僕が納得いかない
こういう馬鹿な連中は大嫌いだ」

「なんだと?」

信二が藤城君に掴まれていない手で、ポケットからナイフを出した

「これで痛い思いする?
彼氏クン」

「くす…馬鹿じゃないの?」

藤城君が鼻で笑った

え?

藤城君?

怪我をしちゃう

私を置いて帰れば、無傷で帰れるのに…なんでそんなことを

わざと喧嘩を売るような真似をするのよ

「刃物なんか振り回して、何になるの?
僕の体にかすりでもしない限り、痛みなんかこないけど」

「…んだと?」

信二が、藤城君のお腹めがけてナイフを突き刺してくる

藤城君は、信二の掴んでいる手を離すと長い足を信二の腹に食いこませた

信二が、後ろに飛んでいた

え?

藤城君が?

「刃物に頼っているから、自らの身体に隙ができる」

藤城君はニヤリとほほ笑んだ