「あれ? 桃香先輩、もしかして僕のこと見てます?」

ぱっと表情を変えた藤城君が私の目を見て、明るい声を出した

「え?」

「だって見てたでしょ?
うわあ、愛を感じちゃうなぁ」

「は?」

克波君から離れた藤城君があたしに近づいてくる

「え…ちょ…」

あたしは後ずさる

ちが…そういう意味で見ていたわけじゃあぁ…

莉子ちゃんがあたしの前に立ちはだかろうとする

が、足をくじいて書類を藤城君の顔面にたたきつけた

「いったぁ…」

「あら、ごめんなさい」

莉子ちゃんが悪びれている風でもなく、謝った

「莉子、ナイス!」

克波君が親指をたてた