「あ、莉子ちゃん聞きたいことって?」

「え? ああ…えっと、何だっけ?」

莉子ちゃんは、にっこりとほほ笑んだ

「そうだ、莉子ちゃん、この後って用事ある?」

あたしは莉子ちゃんに質問をした

莉子ちゃんは眉を曲げると困った顔をした

「用事があるならいいの
一緒にお買い物したいなって思ったから」

「すみません
ちょっと…」

「いいの、気にしないで」

「帰りは遅くなるって兄様に言っておいてくださいね
きっとお父様以上に、門限には厳しそうだから」

莉子ちゃんが肩をすくませた

「あまり遅くなるようなら、連絡頂戴
迎えに行くから」

「はい、ありがとうございます」

莉子ちゃんは可愛く微笑むと、頭を下げた

ふと遠くからの視線が気になって、私は莉子ちゃんから視線を外した

克波君と話をしているはずの、藤城君の目が莉子ちゃんを見つめている

目を細めて、ジッと莉子ちゃんの背中を捉えている

顔から笑みが消え、無表情で莉子ちゃんを見ているみたいだった

やっぱり……なんか藤城君が変だよ

莉子ちゃんを見る目が、ちょっと違う

どうして?

何か二人にはあるの?