「私が入ってよろしいのですか?」

「莉子ちゃんなら適任だよ
来年には、生徒会長になれるんじゃない?」

「今の生徒会長は?」

克波さんの視線が、桃香お姉さんに向いた

桃香お姉さんは何か資料を探しているようで、本棚を眺めている

「桃だよ
俺、そういう好きじゃないし、桃ならイメージ的にぴったりだろ?」

克波さんがウインクをした

「私も、そう思います」

「な?」

克波さんが満足したように大きく頷いた

「これで後継者が一人、ゲットできたな」

「他の人はいないのですか?」

「いねえんだよ!
勇人さんが怖くて誰も近寄らねえから」

「あ、兄様って面倒くさいですよね」

「莉子ちゃんもそう思う?」

「思います
だって我が儘だし、気分屋だし、暴れん坊で心も開かないし、本音も言わないから
何を考えているか全く読めない
それでいて、立場が悪くなると「くだらねえ」って一言で逃げちゃうんだもの」

克波さんが私の言葉を聞いて、口を緩めて笑った