玄関の呼び鈴が鳴った

心臓がドキンと跳ね上がる

なにを話すのだろう

どんなことを言われるのだろう

そんなことを考えていたら、昨日の夜は眠れなかった

終業式中に、ちょっと居眠りしちゃったよ

今は眠気よりも、緊張がすごくて手が冷たくなっているの

小走りで玄関に向かうと、ドアを開けた

「莉子、会いたかった」

藤城君はほほ笑むと、私をぎゅっと抱きしめてくれた

藤城君の匂いが、ほわっと鼻腔をくすぐった

安心する

藤城君の体温に、匂い…が、私の心を穏やかにしてくれる

まるで何かの魔法みたいに

私の不安を掻き消して、温かい気持ちで包み込んでくれる

藤城君って、凄いなあ