「思い描く理想の人間と、僕は程遠いよ」

ふっと僕は鼻を鳴らして笑った

「理沙、また来るよ
今日は報告に来たんだ
莉子にすべてを話す前に、ね
じゃあ、またね」

僕はお墓に向かって手を上げた

僕は生きているんだ

生きている限り、前を見て生きていくから

理沙ができなかったぶんまで、頑張って生きていくよ

僕は理沙の墓に背を向けて歩き出した