「ねえ、理沙は怒ってる?
ざまあみろって笑ってる?

復讐するつもりだったのにね…小山内家をぐちゃぐちゃにしてやろうって思ったのに
僕は小山内の人間を好きになっちゃったよ

それもかなりヤバいくらい莉子にハマってるんだ
まあ、ある意味…復讐は成功したのかな?

僕が小山内勇人が大切にしている妹君を奪ったから…なんて、ね
もう、そうな風には考えられないけど」

僕は苦笑をした

手の中にある赤いリボンを、お墓の前に置いた

理沙のトレードマークだった赤いリボン

ポニーテールにいつもつけていたリボンだ

僕には、もう必要ないよね?

前を向いて生きていける術を見つけたから

過去から抜け出さなくちゃ

理沙にできなかったことを

今度は莉子にやってあげたいんだ

莉子の傍にいて、守ってあげたい

辛いって思ったとき、すぐに手を差し伸べてあげたいんだ

理沙にはできなかった

苦しんでいるのにすら、気づけなかった

そんな過ちは繰り返したくない