嘘…ね

覗き見ておいて…僕を責めるんだ

僕は眼球をじろりと動かして、愛子の横顔を見た

愛子が無表情で僕を見ている

目だけが、欲望でぎらりと光っていた

「それで僕に何か言いたいことでも?」

「ありすぎて、呼吸ができないわ」

「なら、ここで窒息死する?」

「馬鹿言わないで」

僕は口元だけを緩めた

「私の嫉妬する姿を見たいの?
それとも滝沢家を裏切りたいのかしら?」

「どちらでもないよ」

「あら…遊び?」

「それも違う」

「本気?」

僕の太ももに、愛子の手が伸びてくる

僕は、愛子の手首を掴むと太ももから手を遠ざけた