「本当は赤いドレスを脱がしたかったけど…ま、仕方がないな」

「え?」

勇人さんが眼鏡を外した

あたしの顔を見て、にっこりとほほ笑むとベッドに押し倒してきた

「ちょ…ダメですよ!
勇人さんは怪我人なんですから」

「怪我は大したことないって、あの監察医が言ってただろ」

「監察医?」

「久我さんだよ」

「ああ…あの人って、お医者さんじゃないんですか?」

「医師だけど、死体専門だ」

「ええ?」

あたしは大声をあげると、勇人さんがため息をついた

「これからヤるっていうのに、色気のない声をあげるなよ」

勇人さんがにやっと笑うと、あたしにキスをした

熱くて、とろけそうなキスにあたしの全身の力が抜ける

まるで麻酔を打たれたみたいに、ベッドに倒れ込んだ