久我さんの車で、家に帰ると僕はシャワーを浴びてから道着を着て道場に向かった

誰もいない静かな道場

今日は、稽古が入っていない

入口で、上座に向かって軽く頭を下げると神聖な場所である道場に足を踏み入れた

床がひやりと足の裏に伝わってくる

僕は真剣を持って、道場の真ん中で正座をする

頭の中から、邪念を振り払う

無心になるように、頭の中をからっぽにする

何分、そこに座っていただろうか?

20分…いや30分だろうか

時間など関係ないが

たぶんそれくらいは、微動だにせず上座に向って正座を続けた