あたしは後ろ髪をひかれる思いで、キッチンに向かった

勇人さんは全く気にする様子もなくダイニングテーブルに座ると、肘をついてつまらなそうな顔をした

「可愛い妹さんですね」

「どこが?」

「え? 可愛いじゃないですか
モデルさんみたいに目がクリっとしてて、スタイルもいいし」

「見た目がいいのは、父親と母親の外見がいいだけじゃねえか」

興味がなさそうに勇人さんが答える

不機嫌だ

どうしてかな?

「どうしたんですか?」

「腹が減ったんだよ」

「それ以外に、怒ってる理由があるみたいですけど?」

「あるだろうがっ!
俺の家が騒がしくて、イライラすんだよ
なんであいつらが、俺の家で言い合いしてんだよ
家でやれよ、家で!」

勇人さんが鼻から大量に息を噴射すると、ぷいっと横を向いた

「勇人さん、可愛い」

「ああ?」

「いえ…すぐに夕食の用意をしますね」

久々に勇人さんに睨まれちゃったよ

相当、機嫌が悪いみたい