俺は手すりに手をついて、ゆっくりと階段を下りた

まだ…だ

まだ、終わってない

藤城さんが、一真に手錠をかけるまで…俺は、一真を追いつめるんだ

きゅうに足に錘がついたように、重くなった

息があがる

呼吸が苦しい

おかしい…な

きちんと呼吸しているはずなのに

肺がいってぇーよ

ガタンっという音に、俺は頭が一瞬冴えた

意識を失いかけた俺は、階段を踏み外したのだ

手すりを強く掴むと、俺は深呼吸をしてから足を動かし始めた