なんのセキュリティー効果もない古びたドアが、ゆっくりと開くと一真の顔があらわれた

「ほお、わが城に来てくださったとは」

髭ののびた間抜けな顔で一真が、俺を迎えた

「前回は、俺の家だったので…今回は貴方の部屋でお話をしようかと…」

俺は口を緩める

「なら…どうぞ
小山内君のように綺麗に部屋を片付けてくれるメイドがいないのでね
汚いが…気にしないでくれよ」

嫌味のつもりかよ

汚臭が鼻につく

男の体臭と、トイレの臭いと…食べ物の腐ったような臭いだ

気持ち悪さに、俺の胃がむかむかしてきた

吐き気を催す