「まあね
真実を教えて、怒りの矛先を変えたいんだ」

決して桃香のせいじゃないってことを教えないと

それに…

桃香にはもう会わせないとも伝えないとな

「兄様?」

「莉子…俺が、出かけているって誰にも言うなよ」

「え?」

「部屋で調べ物をしていると言え
んで、呼びだすって話なっても、俺が調べ物の途中で区切られるのが大嫌いだと言って
部屋のドアを開けされるな
用事が終われば、すぐに家に帰るから」

「何をするつもりですか?」

竜之介が、俺の心を見透かすような眼で見てくる

「決着をつけたい…それだけだ
竜之介も、誰にも言うなよ」

俺は竜之介の肩を叩くと、藤城さんと一緒に外に出ていく

藤城さんが乗ってきた黒塗りの車に乗り込むと、シートベルトをつける

「内緒にしてて、本当にいいの?」

運転席に座った藤城さんが質問してくる

「知る必要ないことですよ」

俺は、口を緩めると真っ直ぐに前を見つめた