「嘘よ、きっと私のだわ
信二たちのことが書いてあるんでしょ?」

莉子の目が藤城さんに向く

「正直に話したら?」

藤城さんが口を開きながらクリアファイルを背中にまわして、莉子に内容を見られないように隠した

「たぶん、僕も莉子のことじゃないと思う」

「藤城君まで!」

「だって、信二ってヤツらのことは解決したはず
出回ったDVDも僕が全部回収して壊した」

「え?」

「夜中、信二たちと取引をしたヤツらの家に行って、全部壊してきた」

藤城竜之介が手のひらを見つめながら呟いた

「完璧主義者め」

「だって、嫌だろ?」

「まあな」

俺は竜之介の顔を見て頷いた

お前はなんの準備もせずに、動きすぎるんだよ