「あ…桃香ちゃんが、来たわよ」

貴美恵さんが、嬉しそうに声をあげた

「え? なんでまた制服を着てるのよ
すぐに着替えて
私がドレスを用意してきたから、それを着ましょう!
莉子ちゃんも手伝って」

貴美恵さんがソファを立つと廊下へと進んでいった

「え? あたしは…そんな…」

「何、言ってるのよ!
これはある意味、私のパーティでもあるのよ!」

貴美恵さんが、明るい声で口を開く

「私は勇人と婚約している身なの
女の私が、他に好きな男がいるから婚約破棄して…とは言えないでしょ?

言えても…父親たちに却下されるのが落ちだわ

でも勇人が婚約破棄を申し立て、私の家との交流も変わらないものだと言ってくれれば
私は、疾風と結婚ができる

…ま、子づくりができるてことよ!」

貴美恵さんがにっこりとほほ笑んだ