「莉子ちゃん、それ大事よ!
重要ポイントよ
顔と金と…あとはエッチがうまいか
男はそれに限るわ」

貴美恵さんが私の手を握って、微笑んだ

「あとは…男が逃げないように莉子ちゃん、お料理のお勉強をしておいたほうがいいわ
男は胃袋で掴んでおけば、逃げられることはないわ
あ…浮気はこの際、目をつぶっておいて…
本当に離したくないなら、料理を作って胃袋をがっちり掴んでおきなさい」

「貴美恵さんは、胃袋をつかみ損ねたけどね」

克波さんが、オレンジジュースを飲みながら呟いた

「そこ、五月蠅い!」

貴美恵さんがスリッパを手に持つと克波さんの頭を叩いた

え?

克波さんの頭を叩いちゃったよ!

九条家の当主をいとも簡単に……ぱこって…

「貴美ちゃんは、そのままでいいんだ
笑って僕のそばにいれくれれば」

料理をお盆に乗せて、テツ兄が運んできた

「ふふふっ、どう?
私って魅力的な女のよ?」

ソファに座った貴美恵さんが、足を組んで克波さんを流し眼で見た

「貴美恵さんが、テツさんに胃袋を掴まれただけでしょ?」

克波さんがさらりと、言いきった