克波さんの携帯が鳴った

克波さんがポケットから携帯を出すと、耳にあてる

「あ…貴美恵さん?」

『もしもし、本当なの?
桃香ちゃんと、勇人がくっついたって!』

電話の中から、貴美恵さんの元気な声が聞こえてきた

「あ、ああ…たぶん」

『パーティよ! 勇人の家でパーティ

私、シェフを手配するから
克波も授業なんかサボって、勇人のマンションに来なさい!

あ、あと莉子ちゃんも!
授業なんか受ける必要はないから、教室からかっさらって来なさい

私がおいしい料理を手配してあげるわ』

貴美恵さんは一方的に話し終えると、克波さんの返事も聞かずに電話を切ってしまった

「…だ、そうだ」

克波さんが苦笑する

「楽しそう!」

私はにっこりとほほ笑んだ

兄様、どんな顔をするかしら?