「あ…教室を飛び出しちゃって」

私は苦笑いをする

なんて言っていいか

正直、わからない

「なんで?」

「…みんなの前で、藤城君がキスをしたから…
大嫌いって頬を叩いて、教室を」

ふっと克波さんが口元をゆるめて笑った

優しい笑みで、立ち上がると私の頭をそっと撫でる

「そのキス、嫌だった?」

「うん…嫌だった」

「そう…でも藤城は好き?」

私はこくんと頷いた

「教室にいるときの藤城君って…なんだか違うの
妙にテンションが高くて、ふざけてばかりで…馬鹿な行為でクラス中の笑いばっかり取って
その流れで、私にキスをしたから…すごく嫌だった」

私は制服のスカートをぎゅっと掴んだ