「本当にいいのか?」

「勇人さんこそ…あたしでいいんですか?
あたし、勇人さんに迷惑ばかりかけているし、それに良太郎のことだって…」

勇人さんが話を続けるあたしの唇に指を置いて、優しく微笑んでくれた

「迷惑と思ってないと前にも言ったはずだ
良太郎だって、もう過去の話だろ?
それとも桃香は良太郎が好きだったのか?」

「まさか!
簡単に他人を殴るような人、好きなわけ…」

「なら、いいんだ」

勇人さんの指があたしの唇から離れる

ぐっと勇人さんの左手があたしの腰を掴んだ

右手はあたしの顎を掴んだ

勇人さんが瞼を閉じた

あたしも目を閉じる

互いの唇が触れあった

そっと…互いの存在を確かめ合うような優しいキスだった