朝、ニュースを見ながらご飯を食べいると、莉子ちゃんが箸を落とした

零れ落ちてしまいそうなほど、大きな目を開けてテレビを見つめている

「ふん…もう解決したのかよ
つまらねえなあ」

勇人さんが椅子の背もたれに寄りかかると、つまらなそうに声を出した

え?

どういうこと?

「これ…藤城君が?」

「藤城…ていうより、藤城さんの力だろうな」

「は?」

莉子ちゃんが不思議そうな顔をして、首をかしげた

一体、何の話をしているのかな?

『藤城さん』

その単語はなんか凄く懐かしい響きが感じられた

どうしだろう

「竜之介の兄貴だよ
…っち、頭下げにいくのがはえんだよ
もう少し、粘れよ、竜之介め!」

勇人さんはすごく不満そうにテレビに向かって、文句を吐き捨てた

「お兄さん?」

莉子ちゃんはまだ不思議そうな顔を続けている

『藤城さん』ってやっぱりどこかで聞いたことが……

あっ!

良太郎の家にきた刑事さんだ

勇人さんと話しをしてた

あの人が、藤城君のお兄さん?