藤城の名が傷つく?

兄さんの職がなくなる?

それは…事件が表ざたになれば…の話だ

ヤツらの口から僕の名が出なければ、それでいいだろ?

違うの?

僕は間違ってる?

「兄さん、僕は……」

「やるなら、徹底的にやれよ
中途半端に終わらせるな」

兄さんがほほ笑んだ

長い手を伸ばして、僕の頭を撫でた

「僕は…」

「悪い、ちょっと待て」

兄さんはベッドの上に置いてある携帯に手を伸ばした

「藤城だ
何かあったのか?」

兄さんの声色がかわる

緊張感のある厳しい声だ