「竜之介、お前はわかっていない」

「ああ、わかってないのは兄さんだ
僕の気持ちなんて、ちっとも理解してないんだ
わかっているふりをして、僕を納得させようとしているだけなんだ」

「お前は当事者になる責任の重さを知らないだろ?」

「知らなくさせているのは、兄さんだろ」

僕はペットボトルのキャップを外して、残りのお茶をごくごくと音をたてながら飲み干した

空のペットボトルを荒々しく床にたたきつけると、僕は兄さんから視線を外した

「そうか…なら、好きなだけ暴れろ
お前が騒ぎを起こせば、俺の職は失われる
現職警察官の弟が事件を起こしたと、騒がれ…藤城の名に傷がつくことを忘れるな
それでも良いと言うなら、俺は構わない
世話になった祖父や祖母、叔父や叔母の身を考えて、行動しろ」

兄さんが茶封筒を僕の膝の前に置いた