昔のビジョンが、脳裏に映っては消えていく

両親の事件

兄さんが僕を守るように、逃げていく…かすかな記憶

理沙の心中シーン

狭い畳の部屋で、家族で死んでいた

もっと早く僕に言ってくれていれば…未来は変わっていたかもしれないのに

後になってから真実を知る苦しみ

その辛さを兄さんは知らない

いつも当事者だから

僕の前に立って、僕を守って

見せたくないものは見せない

都合の良いときに、やっと真実を知る

それがどれだけ、疎外された気持ちになるか

兄さんは知らない

理沙の家に兄さんは白手をつけて、室内に入っていった

警察手帳を見せただけで、理沙の近くに行けた

僕はテープの外で、ただ叫んでいるしかなくて…兄さんに何度も話しかけるのに

それを無視して、僕から離れていった

そして…後日、僕に彼女が自殺だったと教えてくれた

ただ淡々と…僕に「ご愁傷様」と告げた