「兄さん…僕は」

「お前の行き場のない気持ちは理解している
自分で動きたい気持ちもわかる
だが、兄として俺はこの資料を渡すことはできない」

兄さんがゆっくりと首を横に振った

僕は唇を噛んだ

何を言ったって
僕は兄さんには勝てないんだ


「…わかったよ
資料はもらわないし、見ない
…一人でやる」

「竜之介っ!」

「だってそうだろ?
資料をくれないなら、一人でやるしかない
僕の気持ちを理解しているなら、僕がじっとしていられない気持ちだってわかるだろ?
見ているだけだなんて嫌なんだ
もう……嫌なんだ
蚊帳の外でただ解決するのを待っているだけだなんて…もう…」

僕は額に手を置いた