男性の部屋とは思えないほど、整えられたワンルームの一室

埃一つ見当たらない

仕事が忙しくて、アパートにたいして帰ってきてないはずなのに

まるで女性がいる部屋のように綺麗だ

…あ、もしかして彼女がいるのかな?

僕には関係ないか

昔から綺麗好き…というか、潔癖性だったから

「今日、泊っていってもいい?」

「そのつもりで来たんだろ
お祖父様には、俺から言ってある」

「さすがだね
だと、思って言ってないんだ」

「違うだろ
お前が連絡しないとわかっているから、俺からしておいたんだ
お前は藤城家でどんなに大切に扱われているか知らないのか?」

「わかってるけど…息苦しい」

「あまり迷惑はかけるなよ」

「わかってるよ!
ただでさえ僕たちの両親で、藤城家には多大の迷惑をかけてる
だから息子の僕たちは…てなるのは、納得してる
でも息苦しい生活から、たまには解放されたいって気持ちだってわかってくれるだろ?」

「なら、きちんと連絡はするべきだ」

律儀すぎるよ

兄さんは…真面目で優秀

だから僕も同じように生きていかないといけない

ううん、それ以上の人間でなければいけないから余計プレッシャーがかかる