僕は路地を出る

携帯の液晶で、時間を確認する

ぎりぎり間に合うかな?

僕の兄さんは、時間に五月蠅いんだ

忙しい生活をしているせいか

プライベートの時間には厳しい

約束を守れない男は、信頼できない人間と見なすような人だから

時間厳守は当たり前

遅れるわけにはいかない

兄さんの手が必要だから

兄さんの機嫌を損ねるわけにはいかないんだ

僕は早足で、街の中を歩いた

地下鉄に乗り、兄さんの住むアパートへと急いだ