「同じ過ちをして欲しくないんだって
勇人さんも、恋に目が眩んで辛い思いをしてるみたい
だから莉子ちゃんには苦しい思いをしたくないって」

「え? それってクレアさんのこと?」

「あ…それは、あたしにはわからないけど」

クレアさん?

勇人さんの好きな人…なのかな?

莉子ちゃんが、はっとすると首を横に振った

「ごめんなさい
兄様はもう…忘れていると思います
今は、桃香さんだけですから」

「え? あ…莉子ちゃん、勘違いしてるみたい
あたしと勇人さんは…」

「いいえ! 兄様は絶対に桃香さんを愛しています」

「莉子ちゃん?」

「だから…ずるいって思っちゃう
兄様は好きな人と一緒に生活してる
なのに…私は…って」

莉子ちゃん、あたしと勇人さんは何でもないよ