「泣きそうな顔で、言わないでよ
僕は女性の泣き顔に弱いって言ったでしょ?」

「別に…泣きそうになんか…」

藤城君の手が伸びてくる

私の頬をさすって、目尻にたまっている涙のしずくを指にのせた

「ほら、泣いてる」

「ちが…」

「墓参りに行くだけだから」

「え?」

「もう死んでるんだ
俺の初恋の人だった…その人に、きちんと報告したら、莉子にも話すよ」

「別に…」

「強がらないでよ
僕の前で、意地を張る必要はないよ」

私は下を向いた

どうして…藤城君は私が強がってるってわかるのよ