勇人さんって可愛いところもあるんだね

あたしは思わず噴き出してしまった

「第一、莉子には早すぎる
妊娠でもしたらどうするんだ
相手はまだガキだぞ
責任がとれる年でもねえのに
あいつが責任をとるとも思わねえし…
それに俺より先に…」

「勇人さんも…人の子なんですね」

「なんだそりゃ?」

勇人さんがあたしに視線を向けた

「どっかの親みたいなセリフばっかり言ってますよ?」

「くだらねえな
俺は兄として、莉子の心配をだなあ…」

「莉子ちゃんたちなら、平気ですよ」

あたしは洗い物を終えると、勇人さんにホットコーヒーを淹れた

湯気のたっているカップをテーブルの上にそっと置くなり、あたしは勇人さんに手を握られた