「桃香せんぱぁーい、ダンディ藤城の参上ですよぉ……おっ?」

やけに明るい顔で藤城君が生徒会室に入ってきた

藤城君っ!

今は、ちょっと…まずい気が…


藤城君の登場で、勇人さんの目が鋭くなった

がたっと椅子とひっくり返す勢いで立ち上がった、勇人さんは笑顔で入口に立っている藤城君を睨んだ

「あら…まあ…、小山内先輩ったら怖いお顔!」

藤城君が笑顔で、口を開く

じりじりと勇人さんは、藤城君に近づいてく

「は…勇人さん?」

「桃香も、莉子も、克波も…会長室にいろ
俺はこいつに話しがある」

「あら…あらら、俺にマジ話ですか?
まじっすかぁ、なっつって?」

明るい表情を崩さない藤城君に、勇人さんの眉がぴくっと反応する

勇人さんが右手で拳を作ると、左手で藤城君の胸倉を掴もうとする

ダメ!

勇人さん、藤城君を殴っちゃ……

藤城君の口元が緩んだと思うなり、藤城君は右手で胸倉をつかもうとしている手を振り払った

次に、殴ろうしている勇人さんの右手を、藤城君は抑え込んだ

「感情が先走ったら、駄目じゃないですか…小山内先輩」

え?

藤城君が、勇人さんの攻撃を抑え込んだ?

あんな細い身体なのに…どこにそんな力があるの?