娘なんだぞ?

自分の血をわけた娘を…

桃香には絶対に聞かせられない発言だ

こんなヤツ、俺が潰してやる

俺には生かしておく理由が思いつかねえや

「言っておくが、あんたに金を渡すつもりはない」

「…でしょうね
少し脅せば、お坊ちゃまだから騙せるかと思ったけど
とんだ曲者だ、君は
性格が歪んでいる上に、桃香を美化している」

「くだらねえな
美化して人を見たことがないんでね
桃香を見誤っているのは、そっちだろ?」

俺の言葉に、一真が口を緩めて微笑んだ

「桃香の体を知った男はみんな、腑抜けになる」

「なら、俺はまだ腑抜けじゃねえ」

「また、嘘をつく」

「嘘じゃねえ」

一真が立ち上がった

「ま、今日はこのへんで帰りますか
ここにいても金がもらえないんだ
時間が勿体ない」

「今度は桃香から貰うっていうのか?
桃香に金は渡してねえって言っただろ?」

「どうかな?
それは桃香に会わなければわからない」

…ちっ

叩けなかった

悔しいな

次までに、情報を集めねえといけないな