「メイドとして雇っているんですよね?」

「ああ」

「それで給料ナシ?」

「ああ」

俺は軽く頷いた

一真の目がつり上がった

ほほう…面白いやつだな

思った通りの表情をしやがる

「それってうちの娘に対して、失礼ではありませんか?」

「給料はやってないが、好きなモノは好きなだけ買ってやっている
生活には困ってないはずだ」

「ふうん…で、桃香は母を殺したのか」

「は?」

俺は意外な言葉に、眉間に皺を寄せた

「あ…こっちの話ですから
気にしないでください」

一真がほほ笑んだ

『母を殺した』と聞こえた

ふうん…こいつ、桃香の母の知っているんだ

桃香に母の死をなすりつけて、どうしたい?

こいつは、何を考えている?

目的は金だろ?

金以外に何かあるのか?

他に目的があるのかよ