「小山内君、これ…教授から」

同じゼミの女子・塚地へきるが俺にA4サイズの紙束を差し出してきた

「ああ」

俺は受け取ると、左肩にかけてるショルダーの中に、突っ込んだ

「今夜…あいてる?」

へきるが俺の手をそっと掴んでくる

俺はその手を何事もなかったように離すと、へきるの顔を見た

何を勘違いしている?

俺はへきるの横を通り過ぎた

「小山内君…」

「なんだ?」

へきるが俺のあとをついてくる

「私、もう生理が終わったし…その…」

「何をどう誤解されたか、俺にはわからないが
勘違いされては困る」

ただ教授に言い寄られて困っていたから、助けただけだろ?

まるで昔の桃香を見ているようで、放っておけなかっただけだ

それだけ

何を勘違いしているんだ

俺は大股になり歩くスピードをあげた

確かに教授の見ている手前、恋人のふりをしたが…それだけだ

これ以上、へきるが言い寄られないように芝居をしただけ

そういえば、あのとき生理だ…とか言っていたな

だから、か