私は、俯きながらモジモジしながらそう言った。





「そうか、それはサンキューな。俺なんかの演奏で感動してくれてよ。陽菜ちゃん。」





「えっ?」





さっきとは、違い優しい、低い声。ジョンのあの声に似ていた。




私は顔を上げ、『彼』を見る。すると、さっきまでとは違い、優しく微笑んでいた。




「ああ〜、さっきは恐がらせてごめん。オレさぁー、族にいた頃の癖が直らなくて…。悪かった。」




彼は頭をポリポリかきながらペコッと頭を下げた。




きっと私がかなり怯えてる様に見えたのだろう。