私はいつの間にか、その音の鳴る教室に入って行き、目を閉じてその音色を聞き入っていた。





「おいっ」





私は、はッとして、目を開けると、目の前にヤンキー風の男の子がサックスを手に持って、私を見ている。




いや、見てるというより…ガン飛ばしてる…





恐っ!




今まで溢れていた涙が、一気に引くのが分かる。




「おい!お前、なんで泣いてやがる…つぅか、誰?見たことねぇけど。」