「っ……キャ~!ゆ裕斗様が……」



ガタンと音がしたと思えば、まるで、自分の家かのように誰かが入ってくる。



「兄貴、これ忘れ物……」



あれ?確か、この人って八百屋に居た人?



「これが、裕斗……様!?」



「静奈ちゃんは、初めて会うんだっけ?」



裕さんの言葉にあたしは、頷いた。



「はい、初めてです」


この人が裕、斗様。かっこいいけど、微妙なんだけど。眉間に皺が寄ってそうだし。



「ヤッホー!静奈」



裕斗様?の後ろからひょっこり静流姉が顔を出す。



「っ、キャー!」



静流姉は、そう叫ぶと、あたしの浩介に飛びつくように抱きついた。



「し静流姉!!」



ぎゅっとくっついて離れない。



最悪!静流姉……あたしの浩介に!薬のせいでも、最悪!



「静流姉ってば!」



「うるさいわね!あっちいってよ!私のダーリンなんだから!」



その言葉にあたしと、裕斗様?は固まった。



「静流姉!?あたしの浩介だよ!」



「し~らない!」



ま負けないから、ね……いくら静流姉でも!