「ママに頼んで浩介くんのご飯にだけ、薬を入れたのだよ」



「え!?」



夫婦揃って浩介に……



「いつもの事よ。良く、裕にも同じ事してるのよ」



「裕さんにも?」



「ええ、静奈は多分平気よ。女の子で良かったわね」



遠子が言うから、間違いないかもしれないけど……



「な何を入れたんですか?」



「好きな子にラブを捧げる薬さ」



ラブ!?遠子パパはどんな薬作ってんのよ!



「大丈夫、これは、すぐに効果がなくなるはずさ。キーワードは、マイダーリンラブ!って言って、キスをすれば……」



ガタンとあたしは、席から立ち上がる。皆の視線があたしをとらえる。



「あたし言いませんよ?恥ずかしい!」



「心配ないよ。今日この屋敷は、静奈くんと浩介くん二人切りになる予定だからね」



さらりとそう述べる遠子パパ。あたしは、立ち上がる時にそのまま持っていたお茶碗をこぼしそうになる。



「もちろん、この屋敷に隠してある隠しカメラや、立体映像はそのままにしておくけどね?悪く思わないでくれよ、静奈くん」