「はぁ……はぁ」



門をくぐり抜けあたしは、八百屋の近くを通り過ぎろうとしてふと足を止めた。


あれ?……もしかして、静留姉!?



八百屋には、静留姉が居たのだ。しかもダイコンを持っているオバサンと一緒に


「静留姉!?」



「あ、久しぶり!静奈」



静留姉は、相変わらずニコニコしながらあたしに片手をあげた。



「久しぶり!なんで、静留姉がここに!?」



「ん?ここアルバイト先だから」



静留姉が八百屋でアルバイト!?なんで!?



「なんで!?」



久しぶりに会えたあたしは、無意識に静留姉に抱きついていた。



「こら、痛いよ」



「ごめん……でもなんで、八百屋!?」



「彼氏の家だから」



彼氏の家が八百屋!?なんで!?



「俺様の!?」



静留姉は、相変わらず可愛いと思う。雰囲気はあたしに似ていても年齢が違うから大人っぽくて、でも可愛いって思う。


昔から変わらない、伸ばしっぱなしの茶髪も、サラサラだ。


「そう、俺様の」



じゃあ、ダイコン持ったオバサンって彼氏のお母さん!?