｢薬って、男子には効果ないよね？｣



窓際に寄り添って、景色を見上げる。



｢俺が男だからみたいだぜ？｣



｢ふ～ん、ならなんで、あたしにも効果なかったのかな？｣



｢さあな、好きな奴には効果ないのかもしれないな｣



そう言って浩介は笑った。窓際を見つめ目をつぶっている。


｢涼しいな……風｣



浩介の前髪が風でなびく。



｢うん！｣



あたしも目をつぶって風を感じた。



浩介となら、大丈夫だよね？



目を開け、ちらっと浩介を見上げた。