確かこっちから聞こえたよね?悲鳴……


長い廊下をあたしは歩く。



スタスタ……



気のせいか、誰かがあたしの後に付いてくる気配がする。



何!?今の……ひぃ!化け物!?



あたしは、無我夢中で走った。すると、グイッと誰かに引っ張られた感触が腕に残るのを感じだ。



「だ誰!?」



「っ……ごめんね?」


そう言って現れたのは、またもやカッコイい人だった。茶髪のチャラチャラは、してなさそうな、優しそうな青年だ。



カッコイいな。なんでカッコイい人ばかりいるんだろう?



「俺、天音タケルっていうんだけどキミは?」



「あたしは……綾坂静奈」



「静奈ちゃんね?……ん~あまりこの辺り走らない方が良いよ?」



タケルさんは言いながら指差した。そこには、大きな穴があいている。



あたし落ちるとこだった!?
無我夢中だったし、気付かないうちにあたし、落ちるとこだった!?



「あありがとうございます」



優しそうな人で良かった!あたし落ちるとこだったし!